唯我独尊なコラム23「なぜ汚れたブーツに魅力を感じるのか」

001_01.jpg

個人的にはワークブーツやアウトドアブーツは新品が一番カッコ悪いと思っている。
傷一つ入っておらず透明感や光沢がないレザーアッパー、均一で小奇麗なソール。
確かに清潔感があって洗練されたような雰囲気であるのだが心を動かすものがない。

一方で丁寧に履き込まれたワークブーツは本当に素晴らしい。
立体的に刻まれたシワ、安物でも妙に光沢があるアッパー、そして削れたソール。
持ち主の存在感がそのまま乗り移ったかのように、置いておくだけでも絵になる。

正直なところジェンダーバイアス(社会的・文化的性差別・偏見)に基づく発言は
控えたいところであるが、はっきり言ってこの感覚は女性には理解できないと思う。
女性にとって履き込まれたワークブーツは不潔であるだろうから。

誤解を恐れずに言えば、女性の価値としてはやはり若さや美しさが重要視される。
世界中の女性がより若く、より綺麗になろうと日々努力している事からもうかがえるが、
女性にとって「エイジング(=傷、シワ)」はマイナスにしかならないのだ。
必然的にChristian Louboutin(クリスチャン・ルブタン )のような
若々しく前衛的でエネルギッシュな靴が愛される。或いは少女が履くような靴が。

だが男性は違う。男性にとって傷やシワは勲章であるのだ。
多くの男性は一生涯の仕事を持ち、数年、十数年、数十年かけて自己を磨き込んでいく。
男性にとってエイジングは老いでありながらも、同時に自己を証明するものであって、
自らがどのような道程をどういった価値観を持って歩んできたかを顕著に示す。

また女性の中にもジョッパーブーツなどを修理しながら大切に履いている人もいる。
そういった女性は自らの変化を素直に受け入れており美しく年を重ねている場合が多い。
簡単に買い替えるのではなく、手入れをして大事に使い続けることが出来る女性は、
自己や他人に対しても同じような価値観で接して生きている。生き方が丁寧なのだ。

ブーツも人間も、エイジングに抗うのではなく『コントロール』することが大事だ。
健康や体型維持のため、美容のため努力を惜しまないことは素晴らしい。

きちんと大事に手入れされているブーツを不潔だと吐き捨てる人は苦手だ。
何度も言っているが、若くて美しいものにしか価値を見出せなくなったら人生を見誤る。

800px-These-boots_01.jpg
関連記事
スポンサーサイト

コメント


管理者のみに表示

トラックバック